本文へスキップ

森に集い、森を育て、森で遊び・学ぶ 森会

油山の樹木ア・ラ・カルトjyumoku

油山の樹木ア・ラ・カルト(7)<2008年9月>

生きた化石の木

油山にも、生きた化石なる樹木が存在します。そもそも化石とは、人間が地球上に現れるずっと以前からの生物の遺骸や足あと、糞などの生活の痕跡をいい、普通は硬い部分が残って石化しています。因みに生きた化石とは、「生きている化石」ともいい、太古の地質時代の生物が、現在も同じ姿で生息している生き物です。動物では、シーラカンスやカブトガニなどが思い浮かびます。生きた化石は、動物に止まらず、植物にも存在します。油山の樹木では、メタセコイア、イチョウ、コウヤマキ、ユリノキなどがあげられます。「メタセコイア」は、別名を「アケボノスギ」ともいい、その命名者は、植物をこよなく愛された昭和天皇と聞いています。一旦は絶滅したとされていましたが、1946年に中国の四川省で現生種として発見され、3年後にアメリカから日本に持ち込まれ、生育が早く挿し木も容易なので、全国各地で栽培されています。「イチョウ」は雌雄異種の落葉高木で、漢名を鴨足樹、公孫樹。原産地は中国とされ、日本には仏教の伝来と共に渡来し、神社仏閣などに植えられました。そのルーツは、今でも謎に包まれており、秋に成熟した白くて硬い内種皮を銀杏(ぎんなん)として食用にし、材はまな板や彫刻に最適です。「コウヤマキ」は日本特産の科、1 属1種の樹木で高野山に多く、秋篠宮家の悠仁様のお印としても有名です。「ユリノキ」の命名由来は、「チューリップのような百合の木」という意。葉っぱが半纏の形でハンテンボク、花の形からチューリップツリーともいいます。 職場で最古参の人を転じて、「あの人は生きた化石だ」と言っていました。「森を育てる会」でも、それに該当する方いらっしゃいますか?(安部泰男)


 
 
 
 
 

油山自然観察の森 森を育てる会

〒811-1355
福岡市南区大字桧原855-1

油山自然観察センター内

TEL 092-871-2112
FAX 092-801-8661
http://www.morikai.org/