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森に集い、森を育て、森で遊び・学ぶ 森会

油山の樹木ア・ラ・カルトjyumoku

油山の樹木ア・ラ・カルト(19)<20109月>

秋の七草にたった一つの木

夏が過ぎ 風あざみ♪……私の心は夏模様の夏がゆき、秋の声を聞くともなしに、野に咲く「秋の七草」を思い浮かべます。山上憶良が「秋の野に 咲きたる花を 指折り かき数ふれば 七種(ななくさ)の花」と詠み、萩が花  尾花  葛花  なでしこが花 をみなへし また藤(ふじ)(ばかま) 朝貌(あさがお)が花を選定し、そのまま現在に至っています。則ち、萩、薄、葛、撫子、女郎花、藤袴、桔梗のこと。萩が花は、万葉集の中で最も多く詠まれており、秋の花は「萩」と決まっていたようです。ハギは、マメ科ハギ属の小低木(毎年根本から叢生(そうせい)するので草本の説あり)の総称を言い、山野で普通に見かけるヤマハギを指しています。萩」という字は、秋に草を冠しているので、まさに秋の花と言えるでしょう。「面白いことに春と秋の七草のうち、木本は萩のみであとは草本です。ハギに似て非なるものに、葉が3出複葉、蝶形花をつけるマメ科で草本のメドハギ、ネコハギ、ヌスビトハギ、イヌハギのほか、マメ科ではないヒメハギ、ミソハギなどもあります。いま、DNAによる植物の新しい分類体系が見直されているようですが、ハギは、いつまでも樹木として扱って欲しいですね。ご参考までに、秋の七草の覚え方をご紹介します。「お・す・き・な・ふ・く・は」で、お…オミナエシ、す…ススキ、き…キキョウ、な…ナデシコ、ふ…フジバカマ、く…クズ、は…ハギとなります。「お好きな服は」のほか、「大きな袴を履く」や「翁(おきな)蓮食ふ」を当てはめてみては如何ですか?(安部泰男) 

 
 
 
 
 

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